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ご挨拶

皆さんもご存知の通り、飲食・食品業界には大きな変化が起きています。新型コロナウイルス感染症蔓延による非常事態宣言などが引き金です。特に外食産業への影響は大きく、困難な状況にさらされている店舗様も少なくありません。多くの飲食店様とお取引させていただいている弊社への影響も決して小さいとは言えません。

コロナ禍をどう乗り切るかはもちろん、アフターコロナの未来をどのように描いていくのか。この2点を同時に重要な課題と捉え、チャレンジを続けています。

「おいしいものを食べたい」という想いは、時代・環境がどんなに変化しようと変わらない、人の根源的な感情です。来客が難しいのであれば、EC事業を通じて食卓に料理を届けるという手段もあれば、料理人自身が家庭に足を運んで調理する仕組みを構築するという方法も考えられます。

「できない理由を考えるより、どうすればできるかを考える。」
私たちの実力が、いままさに試されています。

モリヨシ代表取締役社長 森大祐

生い立ち

3歳 初めて製麺工場に入り、小麦粉に触れる。当時の社長(父)の印象は勝負師。子供ながら父が麻雀をする姿を見て、読みの正確さに驚く。
17歳 手伝いから入り、社員として製造現場を経験。
19歳 甲南大学に進学。会社を継ぐなら自分という意識はあったが、継ぐ気は全くなかった。
20歳 父から「お前の場合、サラリーマンになると人様に迷惑をかけるから、うちを継ぐ方がましな人生送れるぞ」と言われる。若かったので反発したが、思いやりからの言葉だったと今は思う。
21~24歳 社員として製造現場を経験。会社を継ぐイメージはまだなく、いずれかのタイミングでほかの会社に就職しようとぼんやり考えていた。
24~25歳 年始に製造責任者クラスが5人退職。突然のことに現場は騒然とするが、このことをきっかけに「このままつぶすと居場所がなくなる。なんとか自分が立て直す。」と決意。
25~27歳 なぜ売れないのかを見極めるために、全商品を食べた。まずい商品は片っ端からレシピを見直し。その変化に伴い大手企業との取引がなくなったこともあった。
29歳~ 1人ですべてをやることに限界を感じていた頃、今のモリヨシの成長を支えるパートナー河井が入社する。私以外の発信者が加わったことで、社員への伝わり方が変わり、初めて社内に一体感が生まれていく 。
30歳~ 商品の見直しがようやく形になり始める。第一弾はゆで焼きそば。自信をもって提供できる味を作り、大手粉もんチェーン様からの依頼が決まる。「ようやく一つ、自分の手でやり切れた」という満足感があった。
31歳 社長就任。
32歳~33歳 難波からの移転を機に、二度目のスランプ。当時は営業も製造も配送も社長業も兼任していた。お客様の期待に応えようと、限られた時間の中で人三倍動いていたが、各セクションにいる他の社員と同様の動きはできない部分もあり、マイペースで自分勝手にやっているという印象を社員に持たれてしまい、多くの社員が辞めてしまう。
33歳~ 製造部の心臓、松崎と出会う。普段は元飲食店店長・ラーメンオタクという個性をいかんなく発揮し、製造の意識を改革。
単純な労働時間ではなく、成果・プロセスで評価する仕組みを浸透させていく。自ら考え工夫する社員が少しずつ増える。
35歳~ 人材が整い、ようやく私個人が走り回るのではなく、会社として同じ目線で「お客様のどんな要望にも無理と言わず考える」をできるようになってきた。
2020年には新卒採用もスタート。「おいしくて、あたりまえ。」というモリヨシの社会的使命を掲げ、本格的な事業成長を目指す。

「生い立ち」をふりかえって

振り返ると、反省することがたくさんあります。特に私がモリヨシに対して本気で向き合うきっかけとなった、25歳の1月1日を思い出すと、様々な感情が蘇ります。若かった私は、ひとことで言うとすべての行動において、軸が自分にありました。

おいしいを追求する一心で行動していたものの、歳も経験も上の社員たちに対して、もっと配慮すべきだったと今では思っています。自身ではいちモリヨシの社員だと思っていましたが、他の社員から見れば「社長の息子」。そういった目で見られている意識もきちんと持ってコミュニケーションを取るべきだったと、今では理解しています。

社長就任後に多くの従業員が辞めてしまったときも、どこか自分の考えが至らなかった部分があったんだと思います。これら2つの経験から、自分の言動がどう従業員に伝わるのかを、強く意識するようになりました。

従業員の大切さは、今では痛いほど理解しています。社長という肩書きにとらわれず、社員一人ひとりのために、最適な環境を整える。新たな課題を乗り越えながら、チームモリヨシはさらなる大きな成長を目指します。

モリヨシがありたい姿

お客様に寄り添うパートナーでありたいと思っています。そのために欠かせないのが、お客様の叶えたい目的をきちんと理解するコミュニケーションです。

「オリジナルの麺を作りたい」というご要望をいただいたとしたら、すぐにイメージする麺を伺うのではなく、その麺を使うことで、どのお客様層をターゲットにしているのか、ご要望の奥底にある想い・熱意・目的を正しく理解し、その目的に近づくようご提案をさせていただいています。ときにはお客様のご要望と異なる提案をさせていただくこともありますが、目的のためという部分を共有できているからこそ、お客様から喜んでいただけるケースがほとんどです。

資材販売事業にしても、EC事業にしても、モリヨシが手掛けるすべてのはじまりは、「お客様の声」がきっかけです。実家が製麺会社で、製麺を究めたいというお客様のご要望から、1年間モリヨシの製造工場で製麺留学を受け入れたこともあります。また、海外展開したいお客様向けに、製麺機や原料となる小麦粉の選定をお手伝いしたこともあります。

この姿勢はこれからも変えません。一軒でも多くの飲食店が「おいしくて、あたりまえ。」を実現し、料理を通じてお客様に感動をお届けできるよう、私たちは寄り添い続けます。